2.3 tarの基本操作とオプション
tarには、対象のファイル群やアーカイブに対して行う処理を指定・定義する、さまざまな引数を渡せます。tarの主な引数は、操作とオプションの2種類に分かれます。
引数の一部は操作と呼ばれます。tarを使うときは、操作を必ずちょうど1つ指定します。複数の操作を指定することはできません。動作モードという言い方もあります。ある操作を指定すると、それに対応する動作モードになります。操作は全部で8つあるため、動作モードも8つあります。
その他の引数はオプションと呼ばれます。オプションは指定しなくてもかまいません。また、そのときのtarの使い方に応じて、一度に複数指定できます。非常によく使われ、コマンドを注意深く入力するのに役立つため、事実上「必須」といえるオプションもあります。この章では、それらを説明します。
tarの操作とオプションの多くは、長い(覚えやすい名前の)形式、短い形式、旧形式の3通りで書けます。短い形式や「旧」形式のないものもありますが、このチュートリアルで扱う操作とオプションには、対応する省略形があります。省略形の表記にも慣れられるよう、適宜示します。GNU tarに「旧形式」があるのは、Unixのtarとの互換性のためです。本書では、この操作・オプションの書き方を詳しく説明します(旧オプション形式を参照)。また、他の2つの書き方も説明します(長いオプション形式、短いオプション形式を参照)。
このチュートリアルの例と本文では、通常、操作とオプションを長い形式で書きます。ただし、短い形式でも同じ結果が得られ、長いtarコマンドを入力しやすくなります。たとえば、次のように入力する代わりに、
tar --create --verbose --file=afiles.tar apple angst aspic
次のように入力できます。
tar -c -v -f afiles.tar apple angst aspic
さらに、次のようにも書けます。
tar -cvf afiles.tar apple angst aspic
オプションの構文について詳しくは、GNU tarの高度な操作を参照してください。本文中で長い形式の名前を挙げるときは、対応する短いオプションも括弧内に示します。
「オプション」という語は、紛らわしいことがあります。一般的な説明では、「操作」を、本来は任意の「オプション」と一括りにすることがあるためです。たとえば、先ほどは「オプションと操作の短い形式と長い形式」と説明しました。しかし、tarに慣れたユーザーは、これを「短いオプションと長いオプション」のように略して呼ぶことがよくあります。この呼び方には「操作」も含まれます。どちらの意味の「オプション」なのかは、文脈から判断してください。
同様に、「コマンド」という語も2通りに使われることが多く、紛らわしい場合があります。tarの「コマンド」というとき、tarのコマンドは、tarに何をするか伝える入力行全体、つまり操作、オプション、その他の引数(ファイル名、パイプ、他のコマンドなど)を含むコマンドライン全体を指します。一方、「そのtarコマンド」というように特定して使う場合は、行全体ではなく、tarの操作を指していることもあります。ここでも、話し手がどちらの意味で使っているかを文脈から判断してください。