--verboseオプション

--verbose
-v

tarの実行中に、処理しているファイルを表示します。

--verbose(-v)は、tarの実行結果を詳しく表示します。結果がすぐには分からない場合に、特に役立ちます。たとえば、tarがファイルをアーカイブへ書き込む進捗を見たい場合は、--verboseを使えます。使い始めのうちは常に--verboseを付けると便利ですが、tarに慣れるにつれて、付ける場合と付けない場合を使い分けるようになるでしょう。本書でも説明を分かりやすくするために--verboseを使うことがあり、違いが分かるよう、--verboseを使う例と使わない例を多数示します。

コマンドラインに--verboseを1回指定するごとに、詳細度が1段階上がります。さらに詳しい出力が必要なら、2回指定してください。

アーカイブの読み込み時(--list、--extract、--diff)、tarは既定では展開対象のメンバー名だけを表示します。--verboseを使うと、ls形式の詳しいメンバー一覧を表示します。

一方、アーカイブの書き込み時(--create、--append、--update)、tarは既定ではファイル名を表示しません。そのため、--verboseを1回指定すると、アーカイブへ追加するファイル名を表示し、--verboseを2回指定すると詳しい一覧を表示します。

たとえば、詳細表示モードでアーカイブを作成するには、次のようにします。

$ tar -cvf afiles.tar apple angst aspic
apple
angst
aspic

同じアーカイブを詳細度2で作成すると、次のような出力になります。

$ tar -cvvf afiles.tar apple angst aspic
-rw-r--r-- gray/staff    62373 2006-06-09 12:06 apple
-rw-r--r-- gray/staff    11481 2006-06-09 12:06 angst
-rw-r--r-- gray/staff    23152 2006-06-09 12:06 aspic

短い形式でも長い形式でも、同様に動作します。長い形式では、次のように同じオプション名を2回書くだけです。

$ tar --create --verbose --verbose ...

毎回、ハイフンを正しく2つ書くことに注意してください。

このチュートリアルの後半では、--verbose --verboseを使う例も示します。

--verboseを指定すると、通常は表示しない警告メッセージもいくつか有効になります。使用するレコードサイズ(アーカイブのブロッキング係数を参照)や、展開に使うプログラムの選択などに関する警告です。不要であれば、--verboseの後に--warningオプションを指定して抑制できます。たとえば次のようにします。

$ tar -c -v --warning=no-verbose -f afiles.tar apple angst aspic

詳しくは、verboseを参照してください。

詳しい出力は、次の6項目で構成されます。

  • ファイルの種類とアクセス許可を記号で表したものです。ls -lの出力の最初の列と同じ形式です(GNU file utilitiesの詳細な一覧表示を参照)。
  • 所有者名とグループ名をスラッシュで区切ったものです。この情報がない場合(たとえば「v7」形式のアーカイブの一覧表示時)は、代わりに数値のIDを表示します。
  • ファイルのサイズ(バイト単位)です。
  • ISO 8601形式のファイル更新日です。
  • ファイルの更新時刻です。
  • ファイル名です。名前に特殊文字(空白、改行など)が含まれる場合は、いわゆる引用形式を使い、曖昧さのない形で表示します。利用可能な形式と使い方について詳しくは、メンバー名の引用を参照してください。

    ファイルの種類に応じて、名前の後ろに追加情報が付くことがあります。次の表で説明します。

    ‘-> link-name’

    ファイルまたはアーカイブメンバーはシンボリックリンクで、link-nameはリンク先のファイル名です。

    ‘link to link-name’

    ファイルまたはアーカイブメンバーはハードリンクで、link-nameはリンク先のファイル名です。

    ‘--Long Link--’

    アーカイブメンバーは、旧GNU形式の長いリンクです。通常は目にすることはありません。

    ‘--Long Name--’

    アーカイブメンバーは、旧GNU形式の長い名前です。通常は目にすることはありません。

    ‘--Volume Header--’

    アーカイブメンバーは、GNUのボリュームヘッダーです(テープファイルを参照)。

    ‘--Continued at byte n--’

    複数ボリュームアーカイブの先頭にだけ現れます(複数のテープの使用を参照)。このアーカイブメンバーは、前のボリュームからの続きです。数値nは、元のファイルが分割された位置のオフセットを示します。

    ‘unknown file type c’

    種類が不明なアーカイブメンバーです。cは、アーカイブヘッダーにある種類を示す文字です。このメッセージが出た場合、アーカイブにGNU tarが扱えない独自のメンバー種別が含まれているか、アーカイブが破損しています。

たとえば、次のアーカイブ一覧には、上で説明した特別な接尾辞の大半が含まれています。

V--------- 0/0            1536 2006-06-09 13:07 MyVolume--Volume Header--
-rw-r--r-- gray/staff   456783 2006-06-09 12:06 aspic--Continued at byte 32456--
-rw-r--r-- gray/staff    62373 2006-06-09 12:06 apple
lrwxrwxrwx gray/staff        0 2006-06-09 13:01 angst -> apple
-rw-r--r-- gray/staff    35793 2006-06-09 12:06 blues
hrw-r--r-- gray/staff        0 2006-06-09 12:06 music link to blues